放射光とは加速器を用いて人工的に作り出した光(X線等)で、その光を作り出す装置のひとつが、アンジュレータです。
図のように、N、S、N、Sと交互に対向して配置された磁石列の中を、ほぼ光速まで加速された電子が通過すると、このように蛇行運動します。
軌道を曲げられる毎に放射光が発生し、発生した光は重なり合って干渉して輝度の高い特定波長の光となります。
この高輝度の光を発生する装置がアンジュレータです。
まず、従来型のアンジュレータについて…
磁石列の間に飛ばす電子ビームは、真空中を飛ばす必要があります。そのため、電子ビームを中に飛ばす真空チャンバを磁石で挟む構造が一般的です。
ただしこの場合、磁石間ギャップを真空チャンバの寸法よりも狭くできないため、磁場を強く出来ないというデメリットが存在します。
真空封止型アンジュレータは、磁石列全体を真空チャンバの中に入れてしまう構造です。
こうすることにより、磁石間ギャップを小さくできるので、磁場を強くできるメリットがあります。この構造を実現するために、当社の技術、これまでの実績の強みは主に3つあります。
楕円偏光アンジュレータは、水平磁場と垂直磁場を交互に発生、ビームを螺旋状にすることで楕円偏光の放射光を発生させることが出来ます。
磁気回路としては、4列または6列の磁石列で構成されます。
磁石列をスライドさせることにより水平偏光・垂直偏光・楕円偏光の放射光に変化させることが可能です。